- 子宮
子宮は長さ約7cm、鶏の卵くらいの大きさです。妊娠すると、子宮はのびて大きくなります。
閉経するとひとまわりサイズが小さくなります。子宮の上の方を子宮体部、下の方を子宮頸部と呼びます。- 卵巣
卵巣は左右にひとつずつあり、2~3cmくらいの大きさです。卵巣から女性ホルモンは分泌されます。
約1か月に1回、卵巣から卵子が飛び出し(排卵)、卵管の先(卵管采)で卵子はキャッチされ卵管を移動し、腟から上がってきた精子と出会い受精卵となり、子宮内に着床すると妊娠が成立します。
子宮筋腫は子宮の壁にできるこぶのような良性の腫瘍です。
女性の3〜4人に一人は持っていると言われています。超音波で診断をおこないます。筋腫の位置や大きさ、個数によって症状は様々です。
- 漿膜下筋腫
子宮漿膜(外側の膜)の直下に発生し、外側に発育します。
かなり大きくなるまで症状が乏しいです。- 筋層内筋腫
子宮の筋層内にできる筋腫です。
3つのなかで最も多く、小さいうちは症状はありませんが、大きくなると過多月経などの症状が出ます。- 粘膜下筋腫
子宮内膜直下に発生し、子宮内側にむけて発育します。
小さいうちから過多月経、不正出血などの症状をきたし、不妊の原因にもなります。
症状がなければ経過が可能ですが、月経量が多くひどい貧血となっている、筋腫による圧迫症状がある、不妊の原因となっている、妊娠時の合併症のリスクがある場合などは手術が必要となります。
経過観察が可能な場合は当院で経過チェックをおこない、手術が必要な場合は高次医療機関へご紹介させていただきます。
子宮の入り口にできるポリープ状のものです。子宮がん検診などで、子宮の入口を観察した際に診断されることも多いです。
不正出血の原因となることもあります。多くは良性ですが、稀に悪性のこともあり、原則的にはポリープを切除し病理検査をおこないます。
頸管ポリープの切除及び病理検査は当院で可能です。
子宮内膜症とは、子宮内膜に似た組織が、子宮以外の場所に生じた疾患です。
子宮内膜症は子宮周囲(卵巣・ダグラス窩[子宮と腸の間]・腹膜など)に発生することが多いですが、稀に肺、腸管、膀胱に発生することもあります。
卵巣に発生したものを卵巣チョコレートのう胞と呼びます。
病巣にできた組織が増殖と剥離を繰り返すことで、炎症や癒着を引き起こすため様々な症状がみられます。
症状として、不妊、月経痛、慢性骨盤痛、性交痛、排便痛などがあります。
治療は年齢、症状度合い、病変の部位や大きさ、挙児希望の有無などを総合的に考慮し、薬物療法、手術治療を選択します。
子宮腺筋症とは、子宮内膜に似た組織が子宮筋層内にでき増殖する疾患です。子宮壁が厚くなり子宮が腫大します。
症状としては月経痛、過多月経などがあります。
治療は年齢、症状度合い、挙児希望の有無などを総合的に考慮し、薬物療法、手術治療を選択します。
卵巣は子宮の左右にひとつずつあり、通常は2~3cmくらいの大きさです。ここに発生した腫瘍が卵巣腫瘍です。
卵巣腫瘍は無症状のことも多く、気づいていない方もいらっしゃいます。
思っていませんか?
子宮がん検診だけでは卵巣の病気は分かりません。
卵巣のチェックには超音波検査が必要です。
卵巣腫瘍には様々な種類があります。大きさ、種類等によって治療法がかわります。サイズがある程度あると、捻れたり、破裂し、強い下腹部痛を起こし緊急手術が必要となる場合があります。子宮内膜症による卵巣嚢胞は薬物治療もあります。
経過観察が可能な場合は当院で経過チェックをおこない、手術が必要な場合は高次医療機関へご紹介させていただきます。
子宮がんには『子宮頸がん』と『子宮体がん』の2種類があります。
- 子宮頸がん
子宮の入口付近(子宮頸部)から発生する癌です。子宮頸がんの95%以上はヒトパピローマウィルス(HPV)というウイルスの感染が原因です。HPVの感染経路は、性的接触と考えられます。約90%は自然に消失しますが、約10%は持続感染を起こし、前がん病変(異形成)となり、子宮頸がんへと進展します。異形成や初期の子宮頸がんではほとんど症状がありませんので、検診が大切です。
- 子宮体がん
子宮の奥(体部)から発生する癌です。閉経周囲以降に発症することが多いです。一番多い自覚症状は不正出血です。
閉経後や閉経期周辺の不正出血には注意が必要です。
検診で異常を指摘され、『要精密検査』となった方は受診してください。
当院では子宮がん検診の精密検査(HPV検査・コルポスコピー、組織診)にも対応しております。検診結果を必ずご持参ください。状況によっては高次医療機関へご紹介させていただく場合もあります。